
眼内レンズの選択
現在680例以上の先進医療手術実績があります。
(2018年12月21日現在)
当院は2008年より多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を行っています。
2014年には先進医療施設として認定を受け、それ以降、各種の多焦点眼内レンズを選択される方が増えています。
ライフスタイルで選ぶ眼内レンズ
眼内レンズ選びは、グッドライフスタイルへのスタートです。眼内レンズ選択により遠視や近視や乱視といった屈折異常を大幅に軽減する事ができます。
当院では、患者さまのお仕事、スポーツや趣味といった生活スタイルを事前にしっかりとうかがい、術後に眼鏡をかけないでどういった距離の物が見えるようになるのが理想かを一緒に考えていきます。
患者さま一人ひとりのQOL(クオリティ オブ ライフ:生活の質)向上に適した眼内レンズの種類と度数を提案していきます。
眼内レンズとは水晶体に代わる人工の水晶体です
*眼内レンズには健康保険のきく「単焦点眼内レンズ」と健康保険がきかない自由診療の「多焦点眼内レンズ」があります。

● 各種眼内レンズの明視域

単焦点眼内レンズについて
保険診療で認められている単焦点眼内レンズは、遠くか近くの一方が見えるように作られています。
■ピントを遠くに合わせた場合

眼内レンズの焦点を遠くに合わせた場合、遠くの風景は眼鏡を使わずに見えますが、手元をみる時は近用眼鏡(老眼鏡)が必要になります。
元来、手元を見るときに老眼鏡を使用されていた人にお勧めの眼内レンズ度数となります。
■ピントを近くに合わせた場合

近くに眼内レンズの度数を合わせると手元の物は眼鏡をかけずに見えますが、遠くをみる時や、車の運転時には眼鏡が必要になります。
元来、裸眼で手元は見えていた人にお勧めの眼内レンズ度数となります。
● 費用について
一般 | 70歳以上 | |||
---|---|---|---|---|
3割負担 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
片眼 | 42,000円 | 14,000円 (住民税非課税者 8,000円) |
18,000円 | 42,000円 |
両眼 | 84,000円 | 28,000円 | 36,000円 | 84,000円 |
両眼(同月内) | 84,000円 | 18,000円 (住民税非課税者 8,000円) |
18,000円 | 81,000円 |
※上記の金額はおおよその目安になります。(H.30.8.1.より)
老視矯正眼内レンズについて
ヨーロッパではすでに実績のある高機能なレンズが国内でも選択できるようになってきました。
特に、老視矯正眼内レンズと呼ばれる新しい高機能レンズは、遠くから手元までの見え方が自然で、見える色彩も美しく、
従来の多焦点眼内レンズでは問題だったコントラスト低下や、グレア・ハローが改善されています。
老視矯正眼内レンズと単焦点レンズの見え方の比較
■老視矯正眼内レンズ

■単焦点レンズ

当院で使用する主な老視矯正眼内レンズ(他のレンズも取り扱っています)
※給付金額は保険の契約内容によって異なります。詳しくは保険会社にお尋ねください。
※給付金額は保険の契約内容によって異なります。詳しくは保険会社にお尋ねください。
※給付金額は保険の契約内容によって異なります。詳しくは保険会社にお尋ねください。
● 各老視矯正眼内レンズ(シンフォニーとミニウェル・レディー)の機能の比較
■ 日中(瞳孔径:3㎜)での見え方比較

遠方も近方も全般的にシンフォニーの方が優れていますが、40㎝より手元ではミニウェルの方が見え方が向上します。
■ 夜間(瞳孔径:4.5㎜)での見え方比較

ミニウェルは、暗所での手元の見え方はシンフォニーには及びませんが、遠方の見え方は大変優れています。このため、ミニウェルは、夜間に運転をする方にとてもおすすめのレンズです。
● 夜間の眼内レンズの見え方について
眼内レンズは暗いところで光っている物を見るのが苦手です。
光源の周囲に輪がかかって見えるハロー(光輪)という現象や、光が筋を引いて見えるスターバーストという現象が見える事があります。
症状の程度は人によって様々で、光源の種類(キセノン、ハロゲン等)や光源の色(白、赤)によっても感じ方が違います。
一般的に多焦点性を有するレンズほどこの症状が強くでますが、ミニウェルレディではこの症状がほとんどないのが特徴です。
■ ハロー・スターバースト

■ 健常な見え方

TECNIS Multifocal
テクニスマルチ(遠・近2焦点レンズ)
厚生労働省 先進医療適用

このレンズを用いることにより日常生活の多くの場面において、眼鏡に頼ることがなくなります。
遠方と近方の2カ所にピントが合いますが、全ての距離においてピントがはっきり合うわけではありません。
近用に焦点の合う距離はレンズの種類によって、50㎝・42㎝・33㎝と決まっており選択できます。
それ以外の距離はメガネが必要になる場合があります。また暗所で長時間手元を見るときなどは、眼鏡が必要になることがあります。
※この2焦点眼内レンズは乱視矯正には対応しておりません。乱視矯正が必要な方には完全オーダーメイドの乱視矯正3焦点眼内レンズをお勧めしております。
多焦点(遠近2焦点)眼内レンズについてのよくある質問
ご覧になりたい項目をクリックして下さい。
※当クリニックは厚生労働省認定の先進医療施設です。
多焦点(遠近2焦点)眼内レンズを選択された場合
● 先進医療特約について
この手術は保険診療外の自費診療となりますが、先進医療の給付対象です。
先進医療適応の医療保険にご加入の方は、多焦点眼内レンズ(含老視矯正眼内レンズ)を用いた手術が給付対象になります。
このため多くの場合、ご自身の費用負担は最終的には発生しません。※当院は、厚生労働省が認めた先進医療施設です。
● 多焦点(遠近2焦点)眼内レンズ ― テクニスマルチ ― の診療費
≪自由診療の場合≫
手術当日のお支払い
・片眼手術:420,000円 3ヵ月以内の両眼手術:700,000円
・混合診療が可能なため、手術当日以外の診察料、検査料、薬剤料は保険診療となります。
≪先進医療特約をお持ちの方≫
手術当日のお支払い
・片眼手術:420,000円
・後日、契約内容に沿った給付金が受け取れます。詳しくは保険会社にお問い合わせください。
・混合診療が可能なため、手術当日以外の診察料、検査料、薬剤料は保険診療となります。
PanOptix
パンオプティクス(3焦点レンズ)
厚生労働省 先進医療適用

PanOptixパンオプティクス(アルコン社製)は、2019年国内承認された初めての3焦点レンズです。
ヨーロッパでは多数例が使用され評価の高いレンズです。現在認可されている先進医療適応レンズの中では、術後の眼鏡使用頻度が最も少ないレンズです。
ENLIGHTENテクノロジーの採用で、利用可能なすべての光の半分を遠方に、残り半分の光を近方と中間に等しく配分し、光を最適使用することで、遠方視力を犠牲にすることなく、40~80 cmの連続した明視域を持つレンズです。遠方のみならず、近方距離(40cm)から快適なコンピューター作業として推奨される中間距離(60cm)までが自然に見えるようにデザインされています。
従来の先進医療レンズと同様に、様々な程度に暗所でのハローグレアは生じますので、夜間運転を行う機会の多い方には注意が必要です。
● 先進医療特約について
この手術は保険診療外の自費診療となりますが、先進医療の給付対象です。
先進医療適応の医療保険にご加入の方は、多焦点眼内レンズ(含老視矯正眼内レンズ)を用いた手術が給付対象になります。
このため多くの場合、ご自身の費用負担は最終的には発生しません。当院は、厚生労働省が認めた先進医療施設です。
● 老視矯正眼内レンズ ― パンオプティクス ― の診療費
≪先進医療特約をお持ちの方≫
手術当日のお支払い
・片眼手術:500,000円~550,000円
・後日、契約内容に沿った給付金が受け取れます。詳しくは保険会社にお問い合わせください。
・混合診療が可能なため、手術当日以外の診察料、検査料、薬剤料は保険診療となります。
TECNIS Symfony
シンフォニー(焦点深度拡張レンズ)
厚生労働省 先進医療適用

シンフォニーは、人間の自然な見え方に近づくように、遠方(運転・ゴルフ)から中間(パソコン)、近方(スマートフォン・読書)まで途切れることなく見えるようにデザインされている眼内レンズです。
現代社会で多用する中間距離の視力の落ち込みや、低照度条件下(夜間の運転など)でのコントラスト低下など、従来の多焦点眼内レンズに対しての不満がほとんどない眼内レンズです。
また、シンフォニーは多少の乱視を補正できる構造に設計されており、従来の多焦点眼内レンズに比べ乱視の影響を軽減することが期待できます。
独自のレンズテクノロジーで色ムラの少ないきれいな見え方も患者さんに喜ばれています。
生活のほとんどのシーンで眼鏡に頼らずに生活できるようになりますが、裁縫や食品表示などの小さな文字を手元でよりはっきりとご覧になりたい場合は、軽い度数の老眼鏡が必要になります。
また、夜間の運転ではグレア、ハロー軽減のために眼鏡装用をお勧めしています。
平成30年1月より、乱視矯正機能のついたシンフォニー(Symfony Toric)を選択できるようになりました。
ヨーロッパでは、すでに数万例を超える使用例があり、単焦点眼内レンズに代わり選択される事が予想される次世代の多焦点レンズで、当院でも多くの患者さんに好評をえています。
● 先進医療特約について
この手術は保険診療外の自費診療となりますが、先進医療の給付対象です。
先進医療適応の医療保険にご加入の方は、多焦点眼内レンズ(含老視矯正眼内レンズ)を用いた手術が給付対象になります。
このため多くの場合、ご自身の費用負担は最終的には発生しません。当院は、厚生労働省が認めた先進医療施設です。
● 老視矯正眼内レンズ ― シンフォニー ― の診療費
≪自由診療の場合≫
手術当日のお支払い
・乱視なし 片眼手術:420,000円 3ヵ月以内の両眼手術:700,000円
・乱視あり 片眼手術:440,000円 3ヵ月以内の両眼手術:740,000円
・混合診療が可能なため、手術当日以外の診察料、検査料、薬剤料は保険診療となります。
≪先進医療特約をお持ちの方≫
手術当日のお支払い
・片眼手術:420,000円~440,000円
・後日、契約内容に沿った給付金が受け取れます。詳しくは保険会社にお問い合わせください。
・混合診療が可能なため、手術当日以外の診察料、検査料、薬剤料は保険診療となります。
MINIWELL・READY
ミニウェル・レディー(焦点深度拡張レンズ)
国内未認可

ミニウェル・レディーはイタリアで開発された従来の回折型や屈折型と全く異なる、プログレッシブ型(Progressive IOL)と呼ばれる新しいタイプの多焦点眼内レンズです。球面収差を利用し、遠、中、近でスムーズな見え方を実現しています。
特徴としてはグレア、ハローが大変少なく、夜間運転をする事が多い方に特におすすめしています。
多焦点性をもたせることによる、コントラスト感度低下が少なく、自費で手術をされる方のほとんどがこのレンズを選択されます。
平成30年3月より、乱視矯正機能のついたミニウェル・レディー(MINIWELL・READY Toric)を選択できるようになりました。
この眼内レンズは完全オーダーメイドの特注で、詳しい検査の後でヨーロッパに発注をいたします。発注時に片眼50,000円の輸入代行費用が発生します。発注後のキャンセルはできません。また、輸入までには1ヶ月程度の期間を要します。
● 老視矯正眼内レンズ ― ミニウェル・レディー ― (自由診療のみ)の診療費
※国内未承認のため先進医療の適用にはなっていません。
・乱視なし 片眼手術:450,000円(税抜) 3ヵ月以内の両眼手術:800,000円(税抜)
・乱視あり 片眼手術:500,000円(税抜) 3ヵ月以内の両眼手術:900,000円(税抜)
・多焦点眼内レンズ代金、手術費用、手術前後の診察・検査・薬代(3ヶ月)を含みます。
・手術代金には輸入代行料(片眼につき50,000円)を含みます。
FINEVISION
ファインビジョン(遠・中・近3焦点レンズ)
国内未認可

遠くと近くと中間距離の3ヶ所にピントが合うファインビジョンは、PhysIOL社(ベルギー)から2011年に発売された老視矯正眼内レンズで、ヨーロッパではすでに15万例ほどの使用実績があるレンズです。
遠くと近く、遠くと中間距離の2種類のバイフォーカル(2重焦点)レンズを組み合わせた二重構造にデザインされているため、遠・中・近が見えるレンズになっています。
また、ファインビジョンは乱視の矯正も可能で、日本で承認された多焦点(遠近 2焦点)眼内レンズよりも眼鏡を必要とする場面はさらに少なくなります。
夜に光が散乱して見えるハロー、グレアが通常の多焦点レンズ(2焦点)に比べ少ないのもこのレンズの特徴の一つです。
自費診療で費用面の負担はありますが、手術後の快適さにおいては大きなメリットがある眼内レンズです。
※このレンズは完全オーダーメイドの特注で、詳しい検査の後で海外に発注をいたします。輸入までには1ヶ月程度の期間を要します。
● 老視矯正眼内レンズ ― ファインビジョン ― (自由診療のみ)の診療費
※国内未承認のため先進医療の適用にはなっていません
・乱視なし 片眼手術:450,000円(税抜) 3ヵ月以内の両眼手術:800,000円(税抜)
・乱視あり 片眼手術:500,000円(税抜) 3ヵ月以内の両眼手術:900,000円(税抜)
・多焦点眼内レンズ代金、手術費用、手術前後の診察・検査・薬代(3ヵ月)を含みます。
・手術代金には輸入代行料(片眼につき30,000円)を含みます。